自噴泉と動力泉

温泉法による温泉の定義では、「地中から湧出する」ということが第一条件となっています。
私たちが普段イメージする温泉も、地中から湧き上がっている、もしくは噴出している状態という場合はほとんどだと思います。
こういった自然に湧出している温泉のことを「自噴泉」といいます。
現在では、「湧出」の一つの形として、ポンプによって温泉を汲み上げる方法が含まれたことで、温泉の定義は大幅に拡大されました。
温泉の総数が、1977年に比べ、2000年現在で約1.5倍になっているのも、こういった理由が挙げられると思います。
このような動力によって汲み上げられている温泉を、「動力泉」といいます。
温泉の三大要素として考えられているものに、「湯道」「温度」「成分」があります。
湯道は、わかりやすく言いますと、温泉が地中から湧き上がってくる際の通り道です。
自噴泉のように、自然現象の一つとして湯道が開いている場合は、地下水の供給とカロリーの蓄積、温泉成分となる地殻成分の溶解などのバランスが、とても長い年月を経た上で成り立っています。
そのため、そうした温泉は温泉成分が大きく変わることも少なく、コンコンと、という形容詞通りに湧出しています。
これに対して、動力泉は、地下深く掘削し、人工的に湯道を開け、動力を利用してお湯を汲み上げており、地下におけるそういったバランスを崩してしまっていることになります。
この場合、新たに正常なバランスが作り出されるまでには、自然に湯道が開くときと同じほどの、想像以上の長い年月が必要となります。
このバランスが作られないままで、やがて温泉は枯れてしまいます。
温泉の総数の増加とともに、現在では使われていない温泉の数も倍増しています。
このデータは、温泉の枯渇と密接に結びついていることを表しています。

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