鉱泉について

多くの方は、温泉を「温かい湧き水」、鉱泉を「冷たいが、鉱物を多量に含む湧き水」と考えておられることと思います。
しかし、環境庁が定めている「鉱泉分析法指針」は、鉱泉の定義を、【地中から湧出する泉水】であることに加えて、以下のどちらかの条件に当てはまるものとしています。
◆多量の固形物質やガス状物質、もしくは特殊の物質を含む。
◆泉温が、泉源の周囲の平均気温より、常に著しく高温である。
また、【鉱泉のなかでも、特に治療目的に供されるものを「療養泉」とする】としています。
どこかで見た覚えのある定義だとは思いませんか?
温泉法での温泉の定義と似ていますね。
大きな違いは、「水蒸気その他のガス」と「療養泉」についての言及でしょうか。
この「鉱泉分析法指針」は昭和26年に定められた「衛生検査指針温泉分析法」に依っています。
昭和23年に定められた「温泉法」のなかでの温泉の定義には、「水蒸気その他のガス」も含まれることになりますが、「鉱泉分析法指針」では、鉱泉は「水蒸気その他のガス」は含まれていません。
このことが、鉱泉と温泉の区別に混乱を生じさせているように思います。
以前は、地表に湧出する温度によって、「鉱泉」を「温泉」と「冷泉」とに大きく分けていました。
熱い温泉に対して冷たい冷泉は大変分かりやすい分け方といえます。
ですが、「冷泉」という言葉だけがあまり普及することなく、冷泉はいつしか鉱泉と呼ばれるようになっていきました。
鉱泉の定義には入っていないガスですが、温泉成分の含まれるガスを地下水に混入させたものは「造成温泉」となります。
温泉地として名高い箱根の大涌谷温泉や大分の別府温泉などは、この造成温泉が大半を占めています。

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